画廊便り 2016年

 

10月特別展【耀画廊移転1周年記念特別展】(2016.10.1〜12)

10月特別展(2016.10.1〜12)は、荒井経先生(東京藝術大学大学院准教授)門下生7名(藝大大学院保存修復・日本画の修了及び在籍者)を中心とした展示(荒井先生の賛助作品が同時展示)でありました。展示作品はすべてレベルの高い力作であり、また緊張感が漲っておりました。

 初日(10.1.)に開催された「作家と語る夕べの」のパーティーでは、荒井先生をはじめとし立島氏(佐藤美術館学芸部長・理事)、山本冬彦氏(アートソムリエ)の方々による色々な観点からコメントは、若き作家にとって大きな収穫となったことでしょう。因みに掲載のスナップ写真は、当日の参加者集合写真です。


 

9月展<「犀」―金沢美術工芸大学有志展―>(2016.9.17~27)

 9月16日の夕方 一台のトラックが耀画廊に無事着きました。明日から開催される<「犀」―金沢美術工芸大学有志展―>の作品を運んで、金沢から約8時間かかってやってきました。長距離運転の山口君よくぞ頑張りました。

さて搬出の段階でご肝を抜かされたのは、上半身の人体像(高さ180cm×幅90cm、重さ130kg・セメント製)でありました。いやそれ以上にビックリしたのは、制作者が小柄の女性であったということです。でも不思議なことに、本人は実際よりズ~と大きく見えました。作品の飾りつけが終了したのが夜11時頃でした。その日は出品者5人が画廊で雑魚寝となりました。幸いにも画廊の近くに銭湯(千代田区に1軒です。大変珍しい)が行き、汗を流しぐっすり眠られたとの報告でした。いい思い出です。その後数人かが画廊で数日延泊。

 アートソムリエの山本冬彦氏、コレクターの小泉さん、美術雑誌の編集者など鑑識眼の高い美術愛好家がご来廊して下さり、全員が口をそろえて良い作品がバランスよく展示されていると好評して下さりました。地方大学のグループ展がこのように開催され、好評を得られたことは、出品作家と共に画廊もうれしい限りです。今後の成長が楽しみです。


 

9月特別展<耀画廊移転一周年記念特別展>(2016.9.3.~14.)

耀画廊が九段から三番町に移転して、お蔭様で今年が1年目となります。これを祝し特別展<耀画廊移転一周年記念特別展>を二期に分け、開催することにいたしました。

前半の9月特別展(2016.9.3.~14.)は、耀画廊若手作家(油彩を中心に)の助言者としてご協力を頂いております 赤羽カオル先生(二紀会審査委員・ミクストメディア)を中心に、中堅・若手作家7名が各自の力作を展示いたしました。ミクストメディア作家、現代日本画作家、截金日本画作家、油彩画作家(アクリル)のよる作品群が展示され、画歴の重さ・若さの魅了に包まれた素晴らしい展示でした。大変に好評でありました。

 今回は記念特別展でもありますので、初日の夕方からパーティーを開催いたしました。このパーティーは出品作家と耀画廊を常に支えて下さる後援者の皆さんをお招きし、<作家と語る夕べ>と称し、親睦を兼ね会でありましたが、お互いが良い刺激となり、有意義なパーティーとなりました。


 

5月展〈感覚の伝言〉Vol.3

 グループ展の〈感覚の伝言〉Vol.3が今年で3回目を迎えました。彼らとは不思議なくらい息が合い、ヨチヨチ歩きの耀画廊と共に歩んできた感があります。
 若い人にとっての3年間は、予想もできない生長期間であると思います。もちろんこの陰には彼らの不断の精進があったことでしょうが、今回展示された作品を観て、一層それを実感いたしました。
 今回は従来のメンバーの一人が、どうしても都合がつかなかったので、油彩画学部3年生の阪田さんを参加させました。会期前は先輩(彼女以外は院卒の作家として活躍)のなかで大丈夫だろうかと、不安がありましたが、実際展示しますと、彼女の作品群は、先輩の中でも決して見劣りがしませんでした。お蔭様で不安は徒労に終わりました。
 この〈感覚の伝言〉は、眩い新緑の耀きと共に、耀画廊に薫風を吹き込んでくれました。
 また来年が楽しみであります。


 

4月展〈春の讃歌 Vol.2〉

 昨年の第一回「春の讃歌」に続き、今年も若さに溢れた日本画の作品が、室内を飾りました。まさしく百花繚乱でした。
 出品作家11名(院卒を含め)の中に、学部新2年生が3人おりました。彼らの精神的負担を減らそうと考えて、会期初日に出品作家だけの顔合わせパーティーを開きました。先輩達は後輩に分り易いような説明し、また後輩は先輩のアドバイスを真剣な眼差しで耳を傾けて、気が付けば楽しい3時間のパーティーとなりました。お嬉しいことに、安堵しました。
 確かに展示作品を拝見しますと、技量の差は暦然です。しかしこのパーティーによって、お互いが有益となったことです。先輩は自分の成長を確認し、後輩は先輩を目標に定めたことでしょう。
  今年の秋には〈秋の讃歌 Vol.〉を開催し、その折りにも同様に先輩・後輩の交流を図りたいと、今から計画しております。


 

3月後半〈コレクター推薦作家展シリーズ〉Vol.1「山本冬彦推薦作家展」 2016.3.19〜30

 3月後半(2016.3.19~30)に<コレクター推薦作家展シリーズ>Vol.1の「山本冬彦推薦作家展」が開催されました。若い作家のこの展示が耀画廊の移転(九段から三番町へ)を契機に、耀画廊に新風を吹き込むものでありたいと考え、実現のために日頃から私が敬愛しておりますアート・ソムリエの山本冬彦氏に、その旨を相談しました。

 山本氏はすぐに快諾し、年に3回の開催(3月:山本氏、7月:関氏、11月:菊池氏)を考えて、最初の展示会とし、自らの展示を3月に開催実現となりました。山本氏は芸術愛好家に人望が篤いこともあり、審美眼の高い多くの人々が耀画廊にご来廊下さいました。また出品作家の質の高さにより、多くの作品がお買い上げ(特に多くのファンを持つ作家の作品は、初日の2時間で全作品がお買い上げ)となったのには、驚きました。

 初日に山本冬彦氏を囲み、出品作家及び今後この<コレクター推薦作家展シリーズ>を担当して下さる7月展の関一彦氏、11月の菊池麻衣子女史そして彼らの関係者の顔合わせパーティーが、17:00から耀画廊の展示室で開催されました。作家達は、己を信じ、開花を夢見、春を待つ桜のようでありました。ここに掲載されたスナップ写真は、そのパーティーのひとコマであります。

           ―まだ焚かぬ花の篝や夕間暮― 高浜虚子

                   

2016.4.10. 富田光明


 

2月展「えにし展」 2016.2.17~28

お蔭様で「えにし展」は今年で3回目となりました。「えにし展」とは、耀画廊と‘えにし’「縁」で結ばれた作家達による年に一度の画廊企画展であり、耀画廊の取り扱い作家を中心とした作家達によるものであります。今回は半数の作家達によるものでありました。
 第一回目(2014年)は実力と実績を備えた赤羽カオル先生(二紀会・審査委員 洋画)と荒井経先生(東京藝術大学院・准教授 日本画)のご両人を核に、若手作家4名からなる展示でありました。因みにご両人は現在耀画廊主要取り扱い作家であり、かつ若い作家への助言者としてお願いをしております。
 耀画廊の取扱い作家は全員が30代以下であります。(上記の助言者を除く)彼らが常に精進を重ねた結果であろうか、今回の「えにし展」Vol.3(2016年)では、驚くほどに作品のレベルが上がり、密度の濃さを感じました。このように若い作家の成長に接することで、芸術愛好家の多くの人々は、夢と希望が与えられるのであります。
 今年の「えにし展」Vol.3は画廊移転(九段から三番町へ)後の最初の展示でありましたので、作家と共に画廊も移転を祝福しようと考えました。そこで「えにし展」の出品者とささやかに展示室で祝賀会を企画いたしました。あいにく私用の都合で参加できない人もおりましたが、参加された皆さんは夜10時まで祝賀会を楽しんでおりました。その時のスナップ写真を掲載いたします。
 耀画廊は常に若き作家と共に歩み、彼らから当画廊で展示したことが喜ばれる画廊となり、作家と画廊が共に大いなる夢の実現に向け精進し、いつか希望が叶えることを願いたいものであります。
 因みに耀画廊のロゴマークであります「耀」は、相手側を輝かせるために光を掲げ、またその光によって、自分も照らさせて頂くという、共に光に感謝する心を「耀」の‘篆書’が表わしております。(「耀」を書いて下さった書家からの言葉)

 

2016.3.3. 耀画廊主 富田光明