― 年惜む心うれひに変りけり ― 虚子
12月展(12.11.~23.)が無事終了いたしました。
年の瀬が近づきますと、一年間をなんとなく愛おしみ、今年を振り返る気持ちになります。
ともかく2015年が通り過ぎようとしております。
耀画廊にとりまして、2015年は節目の年でありました。九段から三番町への移転がありました。
嬰児のように大切に育ててくださった九段から、多少歩き始めた幼児の耀画廊が、三番町に移転いたしました。
このように移転を決めた大きな原動力は、若き作家達にもっと広くて快適なスペースを提供したいとの一心からであります。
さて一年間の展示内容を振り返りますと、出品作家のご協力で毎月異なったテーマ―の展示が可能となり、
お蔭様で12の様々な芸術世界を提供することができました。今年も水準の高い展示が多数ありました。
そのなかでもユニークな展示は、下記の通りだと思われます。
展示内容をより詳しく知りたい人は、お手数ですが耀画廊ホームページのアーカイブのサイトをご参照くださいませ。
6月展:国際木版画招待作家展―木版を愛する作家たち―
木版を愛する異国作家の作品展示であり、彼ら全員が日本各地で(開催年度で研修場所は異なります)で
木版画の指導を受けました。6か国からの作家達です。耀画廊には今まで無かった世界が展開していました。
個性豊かな20点以上の展示は見ごたえがあり、版画の専門家が褒めていました。
11月展:7人展―Birdful―
日本画、油画そして彫刻といった3ジャンルの若き作家の展示でした。彼らは同じ学年(全員が東京藝術大学
2年生)です。展示前は展示のバランスが不安でしたが、それは杞憂で終わり、見事な展示であり、また彼ら
自身も展示を楽しんでおりました。エネルギーは素晴らしいものです。
12月展:冬物語―愛しき人への―
地方の若き作家から光を受けて、東京近在の作家ともどもに、今年最後の光を放ち来年を迎えたいとの願いか
ら開催いたしました。多彩な世界を示してくださいました。いままではどちらかといいますと、一つの美術大
学の展示傾向にありました。これからもこのような企画の展示をしたいと考えております。
来年も素晴らしい展示をお見せしたいと願っております。宜しくお願いいたします。
2015.12.28.
東京九段 耀画廊 富田光明